大学生のお金事情 アルバイトは? 節約は?
大学進学の前に検討しておくべき要素の一つに、生活費がある。東北大生協の調査によると、本学学部生の82%が一人暮らしや寮生活をしている。下宿生や寮生では月支出の半分を家賃が占め、自宅生ではアルバイトが収入の半分を超えた。本紙で先月、本学学部1、2年生を対象にアルバイトと節約に関する意識調査を行った結果、多くの学生が何らかのアルバイトと生活費の節制をして生活を送っていることが分かった。(小平柊一朗)
自宅外生の合計収支 自宅生の2倍
東北大生協の第57回(2021年)学生生活実態調査(以下、調査①)によると、本学では81.5%の学生が一人暮らしや寮生活をしており、残りの18.5%が実家からキャンパスに通う。自宅外生の居住形態は、アパート・マンションが85%で最も多く、寮が8.5%、学生会館が5.3%。食事付きの物件や寮に住む人が約7%と続いた。
翌月への貯金・繰り越しを差し引いた月合計支出額の平均は、下宿生が10万9千円、寮生が7万7千円、自宅生が3万8千円(四捨五入、以下同)。住居費と食費の大きな差が、そのまま全体額の差として表れた。自宅外生では、住居費が支出の約半分を、食費が約4分の1を占めた。交通費は、自宅生のほうが2倍近く高い傾向にあった。
月合計収入は、下宿生が12万2千円、寮生が9万4千円、自宅生が5万9千円。下宿生では総収入の6割、寮生では5割弱が、実家からの仕送りだった。対して自宅生ではアルバイトの給料が5割を占めており、自宅外生よりやや高い金額だった。自宅外生は自宅生よりも、家事に多くの時間がかかることが、影響しているとみられる。
アルバイト 無理なく 倹約も
本紙が先月実施した調査(以下、調査②)では、学部1、2年生を対象に「アルバイトの就業状況」や「節約への意識」について聞き、それぞれ36人と34人から回答を得た。調査はTwitterやLINEなどを用いて行った。
「現在働いている」人にはその業種を、「これから働く予定のある」人には希望する業種を、それぞれ選択式で答えてもらった=図=。最も多くの票を集めたのは、「塾講師・家庭教師など」。時給が高い傾向にあることや、受験の経験を生かせることが理由とみられる。塾のスタッフや試験監督などの人気も高い。
調査②では、アルバイトなどで働いている人と働く予定のある人に対し、週あたりの労働時間について選択式で回答を求めた。調査の結果、週あたり3~5時間「働く」「働きたいと考えている」人が39%で最も多く、続いて5~7時間と9~11時間が18%で並んだ。
調査①によれば、本学学部生のアルバイト月収入額の平均は約2万6千円。生活に使うか、好きなことに使うか、用途や目的を吟味しながら、無理なく働ける環境を考える必要がありそうだ。
資金を捻出する方法には、他に「節約」がある。調査②で、節約したいときに最優先に出費を抑えるものを「食費」「交際費」「交通費」「買い物」「外出」「娯楽」「その他」から選択してもらった。上位3項目は食費の33%、買い物の30%、娯楽の18%の順になった。
加えて節約の努力について自由記述で聞いたところ、多くの人が自炊や水筒の利用で食費を抑えていた。自転車や徒歩での移動を増やして交通費を抑える人も見られた。
本学の学生が送る生活の一例を示したが、ひとくくりに「東北大生」と言っても、その生活ぶりは人それぞれ。授業のコマ数や勉強量、サークル活動、学外の活動など、時間の使い方が自由であるためだ。経済的な事情も一人一人で変わってくるため、総合的に見て自分に合った生活スタイルを探すことが望ましい。