男女共同参画 「門戸開放」に欠かせぬ理念
DEI推進宣言 策定
本学は4月、「東北大学ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)推進宣言」を策定し、多様性・公正性・包摂性をその理念として掲げた。
「門戸開放」という本学建学の理念は、ダイバーシティ推進を象徴している。理念遂行のため、女性教職員の積極的な採用と上位職への登用に加え、男性職員の育児休業等取得率の向上への取り組みや、無意識の思い込み、偏見を払拭する啓発活動を実施している。
本学の課題点の一つは、学生、教員ともに理工系分野で女性が占める割合が低いことだ。
このような課題に対し、本学の女子大学院生が中心となって活動している「東北大学サイエンス・アンバサダー」は、ブログでの発信や出張セミナーなどの活動を通じて、小中高生の身近なロールモデルとなり、女子学生の理系進学を促進しようと取り組んでいる。
教員に関しては、女性で子どもがいる場合、研究時間が少なく、家事や育児、介護時間が多いことが令和2年度アンケート調査で分かっている。調査結果を踏まえ、各キャンパスでの保育園の設置、ベビーシッター利用料などの補助により、キャリアをつなぐことができる研究、職場環境の整備を行っている。
多様性と公正性を包摂する大学を目指して、本学は今後もキャンパス内外におけるDEIの推進に努めていく予定だ。
「らしさ」に縛られるな
「属性と結びついた無意識の思い込みや偏見にとらわれず、進路を考えてほしい」。本学男女共同参画推進センターの
男女共同参画の視点から高校生の進路について語る米永教授 |
男女共同参画の目標は「男性」「女性」という属性によらず個性を発揮する機会が確保され、均等に利益と責任を享受する社会の実現だ。しかしその実現は道半ばにある。
進路選択の際にも「男性」「女性」の属性による無意識の思い込みがいまだに影響を与えていると米永教授は指摘する。その上で「文系は女性らしい、理工系は男性らしい」「女性は研究者に適さない」といったジェンダー・ステレオタイプに縛られずに、自分の夢を実現する進路に挑戦してほしいと語った。